金庫の種類と性能

金庫の耐用年数

半永久的に使えると思われがちな金庫ですが、金庫には耐火性能の有効対応年数があります日セフ連では、金庫の有効対応年数の基準を製造後約20年と定めました。

なぜ耐用年数は約20年なのか?

日セフ連では、各メーカーの製造後5年~30年を経過した耐火金庫を対象に、耐火材を取り出し、水分量を測定し経年変化調査しました。
また実際に(一財)建材試験センターにおいて製造後15年~21年を経過した耐火金庫を実際の耐火試験による耐火性能の経年変化を検証しました。

耐火材の経年変化
耐火材に含まれる水分には、耐火材の主成分であるセメント硬化物の中に含まれる結晶水と、素材の隙間に保持されている自由水があり、結晶水には経年変化がほとんどありませんが、自由水は製造後少しずつ気化して20年を経過すると結晶水と自由水を合わせた水分量の20%程度が消失されます。そのため、水分量の低下とともに、耐火性能が低下することとなります。

耐火性能は製造後20年で概ね20%低下します。
  • ※金庫の設置環境や使用条件などによって、耐火性能の低下率は変わります。

耐火性能がすでに限界に達した金庫として、以下が考えらえます。

昔の金庫 20~30年以上
使用した金庫(現行品)
戦前・戦後 主として戦後から昭和30年代まで
砂入り・桐箱入り等 粉末(ケイソウ土)耐火材 気泡コンクリート
砂入り・桐箱入り等 粉末(ケイソウ土)耐火材 気泡コンクリート
砂が沈下して金庫上部に空間が生じ、上部から火が入る。 固めた粉体が萎縮し、粉状化・高熱による耐火材の壁体内での流動化・渦流現象が発生し、高熱が簡単に内部に伝わる。 金庫に充填されている耐火材の中に含まれている水分が、長年の使用で少しずつ気化して、本来の耐火性能(表示耐火時間)を火災時に十分発揮できない。